ガソリンスタンド関係
欧米では石油精製元会社の多くがガソリンスタンドを直接運営し、石油製品の末端販売まで行っているのに対し、日本の場合、ガソリンスタンドのほとんどは元売会社ではなく販売業者が運営しています。
最近では販売競争の激化による収益の悪化、あるいは後継者の不足等の理由により、閉鎖するガソリンスタンドが多く見受けられます。
最近では販売競争の激化による収益の悪化、あるいは後継者の不足等の理由により、閉鎖するガソリンスタンドが多く見受けられます。
ガソリンスタンドに行くと、たいていのお店では係りの人が大きな声であなたの注文した油種と数量を復唱します。ちょっと恥ずかしいと思う人がいるかもしれませんが、大きな声で注文を復唱するのには大事な意味があります。数量の間違いはともかく、油種を間違えて給油してしまうと大変なことになるからです。例えば、ガソリン自動車に軽油を誤給油してしまうと、しばらくの間は走りつづけますが、その後で動かなくなってしまいます。この“しばらくは走りつづける”という所がやっかいです。高速道路や交差点など、走行中に突然車が動かなくなってしまったら大事故につながるおそれがあります。ガソリンスタンドで給油をする際は、必ず油種の誤りがないよう、確認しましょう。
ガソリンは給油されたものを実際に見る人がほとんどいないため、心配をされることもあると思います。常に適正な計量を維持するため、ガソリンスタンドでは計量機の保守点検に努めています。ただし、計量機に示される量と実際の給油量には、どうしても多少の誤差が生じます。計量法で許されている誤差の範囲(検定公差)は 0.5%以内とされています。また、計量機は水道やガス、電気、タクシーなどのメーターと同じく特定軽量機として、計量法によって使用期限が7年に決められており、検定時に修理義務が課せられています。
ガソリンスタンドではガソリンをはじめとする、軽油・灯油などの燃料油は地下タンクに保管されています。ガソリンスタンドの、あの広い敷地の地下に円筒形の、容量が10キロリットルや30キロリットルのタンクが、埋設されており、そこから各燃料油をくみ上げて給油しています。
万が一にも、地下タンクから石油製品が漏れることのないよう、二重構造のものやピットの中に埋められている地下タンクも最近では増えてきています。
万が一にも、地下タンクから石油製品が漏れることのないよう、二重構造のものやピットの中に埋められている地下タンクも最近では増えてきています。
1998年4月より、日本でもドライバー自身が給油を行う「セルフスタンド」の営業が認められるようになりました。外国では無人セルフ方式が一般的ですが、日本では諸外国と異なる立地条件(地震が多い・建物が密集しているなど)のもと、より安全性を重視した、監視員付き有人セルフ方式での認可となりました。このため、セルフスタンドには給油時の安全を確保する目的で、様々な安全対策が施されています。計量機への衝突防止ガードをはじめ、給油ノズルには静電気をアースさせる仕組や一部には給油中のガソリンベーパー(蒸気)を回収する装置が付いていたり、誤給油を防ぐ装置が付いています。
セルフスタンドには操作説明版が必ずありますので、よく読んで、分からなければ監視員に操作方法の指導を求めるなどしてください。正しく操作を行えば自己は起こりませんので、安心してセルフスタンドが利用できます。
セルフスタンドには操作説明版が必ずありますので、よく読んで、分からなければ監視員に操作方法の指導を求めるなどしてください。正しく操作を行えば自己は起こりませんので、安心してセルフスタンドが利用できます。
ガソリンスタンドが可燃性の危険物を扱っているため、災害時の対策は十分に取られています。1995年の阪神淡路大震災は未曾有の大惨事となり、電気や都市ガス・水道といったライフラインが広い地域で寸断されました。震災直後こそ停電のために給油できないガソリンスタンドがありましたが、被災地域内にあった869ヶ所のほとんどが被害もなく、2日後にはその大半が営業を開始し、ガソリンスタンドの安全性が証明されました。
ガソリンスタンドでオイル交換をした際の、車から抜き取られた廃オイルは廃棄物処理法に基づき、廃油処理業者に引き取ってもらうなど適切に処理されています。そのうち一部のオイルは工場で処理され、再生重油として、一部はアルミの溶融や汚泥の乾燥、あるいは鍛造等の直燃用エネルギーとして、重油と同じ様に利用されています。
(財)日本エネルギー経済研究所
石油情報センター発行「石油のQ&A」より